昨年は、もう無理だと思っていた原稿を出版することができました。
出版社を紹介してくださった大森さん、担当様、読んでくださった皆様のおかげです。
本年もご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年末の日経新聞にこんなコラムが掲載されてました。
2013年12月31日 日本経済新聞
「経営書を読む」 ポストンコンサルティング 森健太郎
全文を貼り付けようと思いましたら、日経Bizアカデミーにコラムがありました。
「危機からの脱出 まずは変化を受け入れよ」
ビジネス書の大ベストセラー「チーズはどこへ消えた」をわかりやすく解説したコラムです。
”何日待っても、消えたチーズは戻って来ません。その間、小人のホーとヘムは一団と痩せ細ってきました。
「チーズはもう戻ってこない」。ある日、ホーは自分の愚かさを悟ります。「状況は変わった。自分も変わらないと死滅への道を辿る」
・・・・(中略)
・・・ホーは自分の運命と行動が惰性と恐怖心によって支配されてきたことに気付くのです。”
(日経新聞のコラム、「危機からの脱出」コラムからの部分的引用)
わたしは何年か家族の介護をやりまして、そのストレスが原因で病気になりました。
必要な買い物以外はほとんど外出せず、人と会う機会も極端に減りました。
長い間かかって身体は回復しましたが、よくなっても外出しませんでした。友達に誘われても、なんだかんだ理由をつけて断ってました。
当然、仕事も行き詰まります。営業をしないのですから、新しい仕事はきません。
それどころかたまに新しい仕事がきても、断ってしまいます。
自分でも愕然としました。
「なぜ、せっかくきた仕事を断るのだ?」
しかも相手は好意で発注してくれたのです。
ことごとく断って、何もせず狭い部屋の暗い隅に座りこんで、ただ嘆いていただけ。
「なぜ自分は動けないのか?」と自問自答しました。
一年ばかり延々と考えた結果、わたしが行動しないのは、単に行動しないことに慣れているからだと気がつきました。まさに惰性ですね。新しい仕事をする自信もない。つまり恐怖心です。
「自分の運命と行動が惰性と恐怖心によって支配されてきた」そのまんまの状況に陥っていたのです。何年も動けない状況が続いたため、精神的な筋力みたいなものがなくなって、動きが取れなくなってたんですね…。
とはいえ、じっとしてても、肉体は否応なく年を取ります。
どんどん人生のステージが変わっていきますから、変化に適応しなければ、立ちゆけなくなります。
自分が変わることを拒否していれば、家族にとっての重荷になります。
「とりあえず何かのバイトができるようになろう。そのためには体力が必要だ」
そう思いまして、体力作りをはじめました。惰性から自由になるには、運動の習慣をつけるのが一番早いのだそうです。
わたしの場合は散歩でした。
雨の日も風の日も街をうろうろしているうちに、だんだん新しいことに目が向くようになりました。
努力する過程で読んだ本の一冊が「チーズはどこへ消えた」でした。
その他の自己啓発本と同じように読んだあと、すぐ忘れてしまいました。
しかし、昨日このコラムを読んだときに、ここ3年間の自分の悪銭苦闘を思い返して、ああ、こういうことだったのか、と納得したのです。
座りこんで悩んでる人に、この本を渡して読むようすすめても、何も起きないでしょう。
惰性の檻って、自分を守ってくれるものでもあります。
安全だし、馴染んでいて、安心できる場所なんです。
そこが危険な状況になっても、臆病な人はなかなか外にでてきません。わたしのように。
しかも、惰性の檻は、内側にしか脱出口のドアがないんですよね。
今も出不精ですし、外出が嫌いです…。
それでも、3年前より、ちょっとは前進したと思います。
わたしより深刻な状況に陥ってる知人に何かアドバイスしたいと思うんですが、説教臭くなく、上から目線にならずに説明する方法はないものかと考えあぐねて、ブログに書いてみました。
読んでくださってありがとうございます。
逃げることの大切さを教えてくれる映画。
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