先日、というほど直近のことではないのですが。
とある賞パーティに、呼んでいただいたときのこと。
ミステリ関係の賞でして、あまり知り合いもいませんでしたので、古い知り合いで、同じ版元さんで書いたことのある作家さんと世間話をしておりました。
お名前をKさんとしておきます。
そのとき、共通の知りあいである業界人のお名前がでました。
Kさんはとあるイベントで、そのかたとお仕事をする機会があり。
そのときに、このかたが、「自分がコレと見込んだ作家さんは、みんな有名になってお金持ちになった」とおっしゃったんだそうです。
「例外が1人だけいるけどね~」。
その例外が、わたくしなんだそうです(´_ゝ`)…。
その話は、過去に、本人から直接いわれたこともありまして、正直、「まだ、そんなことをいって
るのか」と思ったのですが。
しかし、Kさんは真顔で質問してきました。
「なんで売れなかったの?」
うれしいことを聞いてくれるじゃありませんか。
まるで、わたしが売れたかもしれないような、そんな質問。
ありがとうKさん! と思いつつ、わたしも真面目に答えました。
「子どもが欲しかったから」
作家として、わたしが一番書けた時代って、30歳から40歳まででした。
これは、出産可能年齢の上限でもありました。
そして、十代からずぅぅぅっと家族の介護を抱えておりました。
(結婚前に両親は死亡しております)
育児と介護と仕事を一度にやるのは、可能なことは可能なのです。眠らなければね。
産後、2年ぐらいは家族の協力と保育園とベビーシッターを利用しながら、がんばって書きました。
育児は、夫はもちろんのこと、義父母のお助けもフル活用しまして、なんとかなってました。しかし、介護が、、、
自分ひとりで、いろいろと処理しなければならない案件が立て続けにおこりまして、
(親族の借金整理、仕送り、ゴミ屋敷となった実家の片付け、実家近所からの苦情の対処…)
結果、ひどい鬱病にかかりました。2年ほど、活字が読めない状態にまで悪化しました。
文字の意味はわかるのですが、ページに書かれたことが読めないのです。
本も読めなかったです。
新聞が読めるようになるまで1年、回復までに4年ぐらいかかりました。
まあ病気のあいだは、「仕事しなくていいんだ~♪ だって病人だもん~」でハッピーでしたが…。
(介護とPTAの会合が…ほんとに困りました…薬漬けになってやりましたが…)
回復してから、「ほかの子持ちの自由業のお母さんは、どうやり繰りしてるのか」と疑問になりまして、調べてみました。
結論は、「同居の実母か、主夫がいない限り、子育てと物書き業の両立は、ほぼ不可能」
子持ちでバリバリ書いてる人は、だいたいは実母同居です。
あの曽野綾子さんもね!
冒頭のかたが引き合いにだした「自分がコレと見込んだ作家さんは、みんな有名になってお金持ちになった」方々は、1人をのぞいて、活躍していた時期にお子さんはいらっしゃいませんでした。
お子さんがいる1人も、子どもさんから手が離れたあとのデビューです。
そもそも、このかた自身、お子さんが中学に入るまで親元預けっぱなしだったのをわたしは知っております。。。
知っている範囲で、実母の同居なしで両立させてらっしゃる作家さんは、
同業同士で結婚されて、互いに分担しあっているおひとかただけです。
しかし、その作家さんも、「午前三時起きして、家族が起きだす前に原稿を書いて、夜は八時に就寝」だとか。
強靭な精神と生活習慣の持ち主です。
(5/5補足)
要するに、マスメディアに取り上げられている「仕事も家事も育児もできる」キラキラした女性ってのは、彼女個人ではないのですね。
その陰には、同居する家族や住み込みシッターさんなどのサポーターが必ずいる、ということ。
ちなみに、わたしは、子が保育園に入る前に週三回ベビーシッターをお願いしていたのですが、月額18万かかってました。
保育園保護者の知りあいの方など、年末の繁忙期、シッター代が月額90万だったと嘆いておられました。
そこまでがんばったにもかかわらず、彼女は、子どもの受験期に、正社員から契約社員に切り替えたんですけどね…。
働く母にとっての最難関期は、お受験期です。
勉強するしないという話ではなく、放課後、どこに子どもがいてだれと一緒なのか、という問題なのですよね。
学童クラブは、ほとんどが4年生までです。
塾通いがはじまる4年生以降、子どもが塾にいくかどうかは子どもの自由意志となります。
親が忙しくて、放課後は家にだれもいない子ってのは、かなりの率で塾にいかなくなったりします。
(塾先生に聞いたところ、6か月以上つづく子どもは3割だそうです。これは、地域の中学受験率とリンクしてると思われます)
塾いかない子ってのは、同じように塾にいかない子たちとツルんで遊ぶようになって、そっちにズルズル流されちゃうのですよ。
とくに男の子は仲間の影響をもろに受けますので要注意です。
こういう事情が前もってわかっていたとしても、わたしは同じ選択をして病気になったと思われます。
思い通りに仕事ができるかどうかはほんとに運しだい!
コントロールできるものでもないなあ、というのが感想。
ま、生きててよかったです。
とある賞パーティに、呼んでいただいたときのこと。
ミステリ関係の賞でして、あまり知り合いもいませんでしたので、古い知り合いで、同じ版元さんで書いたことのある作家さんと世間話をしておりました。
お名前をKさんとしておきます。
そのとき、共通の知りあいである業界人のお名前がでました。
Kさんはとあるイベントで、そのかたとお仕事をする機会があり。
そのときに、このかたが、「自分がコレと見込んだ作家さんは、みんな有名になってお金持ちになった」とおっしゃったんだそうです。
「例外が1人だけいるけどね~」。
その例外が、わたくしなんだそうです(´_ゝ`)…。
その話は、過去に、本人から直接いわれたこともありまして、正直、「まだ、そんなことをいって
るのか」と思ったのですが。
しかし、Kさんは真顔で質問してきました。
「なんで売れなかったの?」
うれしいことを聞いてくれるじゃありませんか。
まるで、わたしが売れたかもしれないような、そんな質問。
ありがとうKさん! と思いつつ、わたしも真面目に答えました。
「子どもが欲しかったから」
作家として、わたしが一番書けた時代って、30歳から40歳まででした。
これは、出産可能年齢の上限でもありました。
そして、十代からずぅぅぅっと家族の介護を抱えておりました。
(結婚前に両親は死亡しております)
育児と介護と仕事を一度にやるのは、可能なことは可能なのです。眠らなければね。
産後、2年ぐらいは家族の協力と保育園とベビーシッターを利用しながら、がんばって書きました。
育児は、夫はもちろんのこと、義父母のお助けもフル活用しまして、なんとかなってました。しかし、介護が、、、
自分ひとりで、いろいろと処理しなければならない案件が立て続けにおこりまして、
(親族の借金整理、仕送り、ゴミ屋敷となった実家の片付け、実家近所からの苦情の対処…)
結果、ひどい鬱病にかかりました。2年ほど、活字が読めない状態にまで悪化しました。
文字の意味はわかるのですが、ページに書かれたことが読めないのです。
本も読めなかったです。
新聞が読めるようになるまで1年、回復までに4年ぐらいかかりました。
まあ病気のあいだは、「仕事しなくていいんだ~♪ だって病人だもん~」でハッピーでしたが…。
(介護とPTAの会合が…ほんとに困りました…薬漬けになってやりましたが…)
回復してから、「ほかの子持ちの自由業のお母さんは、どうやり繰りしてるのか」と疑問になりまして、調べてみました。
結論は、「同居の実母か、主夫がいない限り、子育てと物書き業の両立は、ほぼ不可能」
子持ちでバリバリ書いてる人は、だいたいは実母同居です。
あの曽野綾子さんもね!
冒頭のかたが引き合いにだした「自分がコレと見込んだ作家さんは、みんな有名になってお金持ちになった」方々は、1人をのぞいて、活躍していた時期にお子さんはいらっしゃいませんでした。
お子さんがいる1人も、子どもさんから手が離れたあとのデビューです。
そもそも、このかた自身、お子さんが中学に入るまで親元預けっぱなしだったのをわたしは知っております。。。
知っている範囲で、実母の同居なしで両立させてらっしゃる作家さんは、
同業同士で結婚されて、互いに分担しあっているおひとかただけです。
しかし、その作家さんも、「午前三時起きして、家族が起きだす前に原稿を書いて、夜は八時に就寝」だとか。
強靭な精神と生活習慣の持ち主です。
(5/5補足)
要するに、マスメディアに取り上げられている「仕事も家事も育児もできる」キラキラした女性ってのは、彼女個人ではないのですね。
その陰には、同居する家族や住み込みシッターさんなどのサポーターが必ずいる、ということ。
ちなみに、わたしは、子が保育園に入る前に週三回ベビーシッターをお願いしていたのですが、月額18万かかってました。
保育園保護者の知りあいの方など、年末の繁忙期、シッター代が月額90万だったと嘆いておられました。
そこまでがんばったにもかかわらず、彼女は、子どもの受験期に、正社員から契約社員に切り替えたんですけどね…。
働く母にとっての最難関期は、お受験期です。
勉強するしないという話ではなく、放課後、どこに子どもがいてだれと一緒なのか、という問題なのですよね。
学童クラブは、ほとんどが4年生までです。
塾通いがはじまる4年生以降、子どもが塾にいくかどうかは子どもの自由意志となります。
親が忙しくて、放課後は家にだれもいない子ってのは、かなりの率で塾にいかなくなったりします。
(塾先生に聞いたところ、6か月以上つづく子どもは3割だそうです。これは、地域の中学受験率とリンクしてると思われます)
塾いかない子ってのは、同じように塾にいかない子たちとツルんで遊ぶようになって、そっちにズルズル流されちゃうのですよ。
とくに男の子は仲間の影響をもろに受けますので要注意です。
こういう事情が前もってわかっていたとしても、わたしは同じ選択をして病気になったと思われます。
思い通りに仕事ができるかどうかはほんとに運しだい!
コントロールできるものでもないなあ、というのが感想。
ま、生きててよかったです。
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