2014年5月14日水曜日

「住民感情への配慮」という罠


小学館の『美味しんぼ』関連の政治家発言がにぎやかである。
非難する人、擁護する人、どっちもそれぞれ「住民感情に配慮している」らしい。
(以下は、「鼻血の原因」とはまったく無関係な内容です。ハイ)

何年も前に人工知能ロボットを書いたとき、ある大学で開発中のロボットをみせていただいた。

その研究室では、災害対策用のロボットを研究していた。
原子炉の破壊をともなう、瓦礫と高濃度の放射線事故でも対応できるようなロボットもあった。
そのロボットは、福島第一原子力発電所の事故の10年前に完成した。
しかし実用化はされなかった。


その経緯を書いた元記事は、どれもこれも消えているので、キャッシュだけ。














  1. 頓挫した原子力事故用プロジェクト | SciencePortal

    scienceportal.jp › コラム › インタビュー


    2011/05/19 - 放射線量の高い原子炉建屋内での作業にはロボットの力が不可欠とみられるが、これまで原子炉建屋内で活躍した ... ヘビ型ロボットの開発などを通じ真に役に立つ技術開発の重要性を強調している広瀬茂男・東京工業大学大学院理工学 ...
日本の原発事故用レスキューロボットを全破棄したのは、小泉政権だった(ジャーナリズム)
http://www.asyura2.com/11/senkyo111/msg/802.html



「住民感情に配慮する」という理由で、いろんなことが封殺されて、手遅れになった。
津波対策もそうだし、避難路もそう。

原発事故だけでなくて、国の少子未婚化対策も同じ運命を辿りつつある。


人口統計学者の山田昌弘氏は、著作『少子社会日本』でこのことを書いておられるが、結婚率と男性の年収に関連があることは、2010年以前には公の場所で発言できなかった。


(年収が低い男性は結婚できない)

という事実が認識されるようになったのは、
2010年のNHK「結婚したいのに…~とまらない未婚化~」
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3006.html

この年、団塊jr世代の女性が、30代後半にさしかかった。

日本の人口縮小は、もはやだれの目にも明らかになったので、NHKを監督指導する総務省が方向変換したのだ。


この「住民感情への配慮」で、議論が封殺されるのは、日本のデフォルトだが、
実は、守られる住民感情は一つではない。

地元住民といえば、被災した高齢者世帯、農家や畜産農家、漁業関係者の方々がすぐ浮かぶ。
職業、環境、家族の状況によって思いはさまざまある。
しかし、地域と密接に結びついているにもかかわらず、表にでてこない職種もある。

「安全であってほしい」という気持ちは、自治体の行政職員や政治家も、農業関係者、漁業関係者と同じくらい切実なはずだ。
住民がさらに減って近隣自治体に編入になれば、補助金の受け皿である自治体は消滅して、職員の仕事はなくなる。議員定数もカットされる。
これらの人々は、「元住民たちに地元に帰ってきてほしい」「住民たちがいなくなれば困る」のだ。


政治的な影響力を持つ人々は、帰ってほしい側に立っている。


「地元に帰っても安全なのか?」

これは放射線の測定値からみれば、専門家にも答えられない。
(5/22日付け足すと、東京と同程度という意味で危険ともいえるし安全ともいえる)
要は不安感を払拭すること。(事実を軽視してるわけではない)

政治的な思惑、地元産業、被災者への配慮から、完全に自由な結論をだせる専門者会議は、現実にはありえない。しかし演出することは可能だと思われる。

「住民への配慮を欠いた結論」を公表する。
そうする以外に、専門者委員会が、信頼を勝ちえる方法があるのか? 
逆説が必要なのだ、と思う。

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